進化している!物流管理システム

企業の経済活動を支えるために物流管理は必要不可欠な要素です。それは、わたしたちの体をめぐる血管と血液のようなもので、とどこおりなく流れているうちは問題ありませんが、いったん停滞や混乱が生じてしまうとすべての活動がストップしてしまう危険もあります。そのため、物流を適切に管理できるシステムの構築がなにより大切となってくるのです。この記事では、進化を続ける物流管理システムのトレンドについて詳しく解説していきます。

■物流管理でサービスの品質向上を図ろう!

商品などの「モノ」を移動させるのが物流ですが、ただ右から左へと運べばいいわけではありません。物流管理でサービスの品質を向上させるためには、どのようなことを心がけたらよいのでしょうか。

#品切れを起こさない

まずは、品切れを起こさないことが基本となるでしょう。たとえば、工場へ原材料を定期的に運ばなければならない場合、品切れが起こると工場の生産ラインが止まってしまい、問題がさらに拡大する可能性も考えられます。商品を送るのが店舗の場合には、一定期間の品切れ状態が売り上げの減少や顧客離れに直結するでしょう。こういった問題を起こさないためにも在庫管理を徹底する必要があります。売れた商品の数と、棚卸しがまだ済んでいない在庫数、そして売れ残りにも注意を払って、品切れにならないような適切な在庫数を確保しておくことが必要です。在庫切れのために商品がどうしても入手できないといったケースもあるでしょうが、人為的なミスによる品切れは顧客との信頼関係をそこねてしまう危険があるので注意しなければなりません。

#間違った商品・分量を顧客に提供しない

次に、商品の種類や分量を間違って提供しないようにチェックすることも重要になります。こうした間違いは人為的なミスが原因となることがほとんどのようです。商品を受注してから梱包、配送するまでの間に、それぞれの工程におけるマニュアルの作成や複数人によるダブルチェックの徹底など、データのチェック体制をしっかりと整えることで作業品質の向上が図られるでしょう。

#指定の納品時期や配送時間を守る

指定された納品時期・配送時間はきちんと守らなければなりません。コンビニやスーパーなど大量の商品を抱えており、商品の補充をこまめに行わなければならない店舗では、配送時間を厳密に守ることが必要となるでしょう。インターネットによる通信販売が盛んになったことにより個人宅への配送も増えています。時間指定がされているにもかかわらず配送時間に遅れれば、なんのための時間指定なのかわかりませんし、再配達によるコスト増にも悩まなければなりません。

#運搬過程で商品の品質劣化や損壊を起こさない

納品時期や配送時間の遅れは、運搬過程での商品の品質劣化や損壊を引き起こすリスクを高めてしまいます。とくに夏場など、食品の劣化が早い季節には注意しなければならないでしょう。配送時間に遅れてしまったために無理な配送を行い、事故などにつながるケースも考慮しなければなりません。車両や人的被害に加えて、商品の破損や汚損ということになれば、弁償などの補償問題に発展することは避けられないでしょう。そうなれば、顧客との信頼関係は回復不能なほどにそこなわれてしまうかもしれません。目的のために手段を誤ることのないように、運転手の確保や教育、運送ルートとスケジュールの確認などを徹底する必要があるでしょう。

このように、一口に「物流管理」といっても、その目的やリスク管理の点で注意しなければならないことは多岐にわたります。各工程・セクションごとに万全な体制を整えて、ノウハウを蓄積し、改善のための継続した努力が求められるでしょう。物流サービスの品質向上を独自に行うのは困難が立ちはだかるため、ニーズに合ったサービスをすでに持っている企業にアウトソーシングするのもひとつの方法です。

■進化している!物流管理がより正確に

トラックドライバーの不足や流通量の増大により、物流業界では効率化が急ピッチで進められています。進化している物流管理システムの実態を検証していきましょう。

#流通ルートの拡大

物流の効率化を進めていくためには、流通ルートのあり方を広げていく必要があります。これまでは工場で商品を作った後、各地域に設置された物流拠点に商品が運ばれてから、卸・小売業の業者が持っている物流センターに配達されることが多かったです。しかし、いったんメーカーの物流拠点に商品を移すのが非効率だということになり、卸・小売業の物流センターに直接商品を届ける「工場直送」が行われるようになりました。この工場直送を可能にするためには、事前に商品や数量をある程度調整しておき、さらには発注から納品までどのくらいの時間が必要なのかを設定しておかなければなりません。ですが逆をいえば、メーカーと卸・小売業のすり合わせが済んでいれば、メーカーの物流拠点を経由する必要がなくなるのです。

また、複数の荷主の商品をまとめて運ぶ「共同配送」も注目されています。これまでは各工場で作られた商品は、それぞれのメーカーの車両ごとに卸・小売業の物流センターに運んでいました。まとまった量の配送となることはまれで、少ない積載量のトラック数台が輸送に携わっていて非効率でした。それを止めて、工場からの商品をとりあえず卸・小売業の物流センター1カ所に集めてしまいます。その後、そこから他のセンターへと拠点間の移動を行うのです。そうすると、トラック1台ごとの積載量不足が緩和されて、運送業務の効率化につながります。

このような流通ルートの幅を広げる試みのほかにも、発注日の集約を積極的に行うことで積載率を高める効果をねらうなど、物流業界では輸送における無駄を徹底的に排除するような姿勢がとられています。

#物流システムの発達

物流システムの発達も忘れてはいけません。物流センターでは、センター内を移動する運送ロボットなどを活用して省人化とコストカットを進めています。また、人工知能を利用した作業の効率化と品質の向上、倉庫配置の最適プラン作成なども積極的に行われており、人やモノを一元管理して最適化を目指そうとする方向性はこの先も続くでしょう。GPSで車両位置を把握することにより、業務を効率化して、事故のときの対応も迅速に行うなど、さまざまなセクションで物流のあり方が大きく変わろうとしています。

#時代とともに変わっていくシステムに乗ることが重要

時代の要請とともに、物流システムは変化していきます。それに合わせるように法律も修正が加えられ、最大21メートルの長大・連結トラックの運行が認められるなど、配送車両が大型化しています。また、長距離や大量輸送には、環境への負荷をおさえるためにもできるだけ鉄道や船舶を用いるといった方針もとられており、トラックとの荷物の受け渡しをどれだけ効率化できるかなど、これからの課題もあるでしょう。これほど大きな変化が起こっている物流業界で、昔ながらのやり方を続けるのはリスクがあります。すべて実践する必要はないかもしれませんが、高度化していくシステムに乗り遅れないだけの準備は進めておくべきです。

■リアルタイムな物流管理が可能!

インターネットを介したリアルタイムな物流管理が可能となったことも大きいでしょう。受注から配送までを一元管理して、各工程の効率化・最適化が容易に行えるようになっています。

#在庫の状態がリアルタイムで把握できる

どれだけ広い倉庫であっても、倉庫内の在庫数をリアルタイムで把握できます。「さっきまでその商品は100個あったけど、今、車庫に入ってきたトラックに同じ商品が50個積んであるから、在庫数は150個になった」といった、本当の意味でのリアルタイム情報を知ることが可能です。また、わざわざ商品の棚卸しをして棚卸し表を作成する必要はなくなりました。商品の売り上げがすぐにわかるため、商品原価や純利益の把握が簡単にできます。

#入庫や出庫の履歴の参照

トラックのナンバーを管理することで、車両の入庫と出庫の履歴がすぐに参照できます。車両ごとにどんな商品が積まれているかもわかるため、商品の検品や移動、在庫管理などが容易です。これにより、入荷業務のときに数量が合わなくなるなどのミスが大幅に減少するでしょう。また、商品の保管場所までのルートを考慮に入れたうえで車両の駐車場所を決めることができるので、移動時間が短くなり作業の効率化が図れます。

#ロットや有効期限ごとの管理

商品の種類ごとにロットの管理が簡単に行えるのも大きなメリットでしょう。出荷業務のときに種類や数量の間違いをする心配がいらなくなります。商品の種類だけではなくて、有効期限ごとの管理も可能です。保管している商品が食品などの場合には、有効期限をきちんと把握して管理できるのは便利といえます。有効期限の日付を複数登録できたり、出荷時にアラートで知らせてくれたりと、在庫管理の徹底に役立つ機能もあるのでニーズに合わせてサービス内容をチェックしましょう。

■物流管理システムの導入をしよう!

新しい物流管理システムは、物流の正確な管理やコストカット、人手不足の解消において大きな貢献を果たすことになるでしょう。リアルタイムの在庫管理は、1度利用すると元にもどれないほど画期的なツールです。なにしろ、一目でサプライチェーン全体のデータが把握できて、受注から配送までを把握できます。これからは、人工知能や作業ロボットによる効率化、省人化もますます進められていきそうです。さらに、これらの変化は物流の世界だけにとどまらず、自然環境への負荷をどれだけおさえて、必要十分な物流体制を実現できるかといった社会問題にも結びついていくでしょう。インターネットを活用した物流管理システムの構築はそれだけ大きな役割を担える潜在力を持っています。

この先も加速度的に進化していくと予想される物流管理システムを、一から自前で作り上げるというのは大変です。すでにある程度のシステムが構築されていたとしても、それだけ高い専門性を持ち始めている物流管理を十分にこなせるには人材も必要となります。物流のアウトソーシングには、さまざまなニーズに対応したきめ細やかなサービスがあるので、物流管理システムの導入を検討してみるのもよいかもしれません。

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