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新しい技術による物流の自動化と効率化!スマート・ロジスティクスが描くよりよい未来

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投稿:2017/10/25 更新:2023/08/29

 

流通網が発達し、欲しいものが気軽に入手できる時代になりました。非常に便利な世の中ですが、その反面、看過できない問題も浮き彫りになってきています。生産された商品が消費者の手に届くまでは非常に多くの手間がかかっています。したがって、商品が莫大な量になると商品の流れが滞り、物流の停滞を生みかねません。それを防ぐために、設備や人員を投入すると物流コストがうなぎ上りになり、企業の経営を圧迫することになるのです。そこで、その解決策として提案されているものが、スマート・ロジスティクスという考え方です。よく知らないという人のために、実際にどういったものなのかを説明していきます。

■スマート・ロジスティクスの意味と概要

ロジスティクスには物流を統合、一元管理して効率化を図るという意味があります。第三者企業が物流を一元管理する3PL(サードパーティー・ロジスティクス)などはその代表的な実例だといえるでしょう。一方、スマート・ロジスティクスとは最新技術を用いて物流コスト・物流時間の最適化、環境負荷の低減、貨物のセキュリティの向上などを目指そうというものです。そのための手段としては、効率的で無駄のない商品の管理配送を実現するための物流マネージメント技術の導入、企業単位を超えた包括的なSCMの構築、地球環境に配慮しつつも効率的に貨物を輸送する物流関連インフラの確立、そして、それらを実現するための新技術の開発などが挙げられます。単に物流の効率化が図れればそれでよいというわけではなく、環境への配慮が謳われている点が大きな特徴だといえるでしょう。
また、スマート・ロジスティクス実現のために特に必要な技術としては、3つのポイントが挙げられています。ひとつは労働者不足や作業品質向上を目指す自動化です。無人搬送車、AIロボットなどがこれにあたります。次に、物流センターにおける管理システムの高度化です。今後は人工知能の導入が注目されていますし、メガネ型ウェアラブルデバイスやグローブスキャナなどといった作業ナビゲーションシステムが作業の効率化と品質向上に寄与しています。最後にスマートロジスティクスコンフィギュレータ(SLC)があります。調達、製造、配送、販売といった一連の流れをシュミレーションして最適プランを提示するシステムであり、スマート・ロジスティクス実現のためにはなくてはならない存在です。

■スマート・ロジスティクスの現場で用いられている最新技術

それでは次にスマート・ロジスティクスに用いられる具体的な技術を見ていきましょう。
♯人手ゼロの現場を目指す無人化システム
物流の拠点となる物流センターは年々機械化が進んでいますが、その究極の目標といえるのが人手ゼロの現場です。現在研究中の技術としては無人フォークリスト、デパレタイズロボット、小型の低床式無人搬送車などがあります。この中でも高い注目を集めているのが無人フォークリフトであり、パレットの荷役、搬送、棚入れ、棚出しを全自動で行うという優れものです。2017年からは現場への投入も進められており、その成果が期待されています。一方、小型の低床式無人搬送車は部品や商品が入っている棚を指定位置まで搬送するというものです。こちらもすでに現場に使用されており、生産性向上と省人化の効果が確認されています。また、デパレタイズロボットは最新画像認識システムを駆使して無秩序に入り混じったパレットの中から特定のケースを取り出し、コンベヤに投入することができます。
♯物流センター管理システム(WMS)による作業の可視化
WMSはもともと倉庫内における入出荷の効率を高めるために導入されたものですが、これをログやセンサーデータなどと連結させて分析ツールを活用することで作業内容の詳細が可視化できるようになりました。個人別、時間別などの生産性が把握でき、これを駆使すればさらなる無駄の排除と作業効率の向上が可能となります。
♯AI(人工知能)を利用したスマート・ロジスティクスの可能性
AIはディープラーニングの技術が確立したことで高い自己学習能力を持つようになりました。この技術が発展していけばトラックの配備や倉庫内のレイアウトなどもAIに判断させることができるのではないかと期待されています。また、現実にそれと似たようなAIの使用例はすでに報告されています。例えば、倉庫内作業の改善のために従業員にセンサーをつけてその行動を人工知能に分析させたところ、特定の棚での混雑が原因で作業効率が落ちていることが判明しました。そして、AIが提案した作業改善案を実施した結果、倉庫内での作業効率が大幅にアップしたのです。
また、技術発展が目覚ましく、現在のAIが得意とするものに画像認識があります。例えば、検品はハンディーターミナルなどを使ってひとつひとつ行うのが普通です。しかし、研究が進められている画像検品システムを使えばカメラで商品の映像を一括して読み込むことで、極めて短時間で検品を終わらせることが可能となります。
♯作業効率の大幅な向上が期待できるロボットによるピッキング
ピッキングは倉庫内作業の中で最も手間がかかるもののひとつです。これをロボットの手で行うことができればかなりの効率化につながります。そして、まだ試験段階ではありますが、それを実際に行う双腕型ピースピッキングロボットが開発されています。これは真空吸着式のアーム2本でピッキングを行うというもので、商品の材質によって人間の手に相当するグリッパを交換することも可能です。また、商品を運んでくれる運搬ロボットと連動することにより、さらなる効率化が期待されています。
♯より安全な積荷の輸送が期待できるトラックの自動運転
ドライバーなしで走る自動運転車は実用化一歩手前のところまで来ていますが、その中で最も早く普及が進むといわれているのが長距離トラックです。現時点ではトラックを無人化させるのではなく、ドライバーを支援することで長距離運転による負担を軽減するのが目的とされています。これが実現すればドライバーの疲労や集中力の低下による事故なども防ぐことができるのです。積荷をより安全かつ効率的に運ぶ技術として注目されています。

■スマート・ロジスティクスの目指す理想と課題

スマート・ロジスティクスは物流業界にとって非常に魅力的な方向性を指し示していますが、その本格的な実現のためには課題も少なくありません。例えば、環境への配慮とひとことでいっても実際に行うのは簡単ではなく、環境対策を行うことで物流にどのような影響を及ぼすのかはまだまだ未知数の部分があります。また、自動運転などの新しい技術が確立してもそれを運用するには法的な問題をクリアしなければなりません。さらに、現場の無人化が進めば働く場所を失うのではないかという労働者側の不安もあります。もちろん、スマート・ロジスティクスは労働者の負担を減らして働きやすい現場を作るのが第一であり、一足飛びに労働者から職を奪うものではありません。しかし、そういった不安やその他の課題ともしっかり向き合い、問題をクリアしていくことが大切です。そうしたプロセスの後に、スマート・ロジスティクスの目指す理想のあり方が見えてくるのではないでしょうか。

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