物流との相違点がポイント!ロジスティクスとは?

物流は、保管・輸送・荷役・包装・流通加工・情報システムという6つの機能を含む「ものの流れ」を指しています。実際に物資の輸送依頼を受けると、それぞれの機能が連携して指定された配達先まで届けられます。一方、ロジスティクスは、「ものの流れ」を一元管理することでスピーディで無駄のない物流プロセスを実現し、物流全体を最適化しようとします。今回は、ロジスティクスと物流の違いを説明し、さらにはサプライチェーンマネジメントへと発展する物流の新しい潮流についても触れていきます。

■ロジスティクスの仕組みとは?

ロジスティクスの本質を理解するには、まず物流に含まれる6つの機能に着目することから始めましょう。物流の役割を簡潔に説明すれば、生産された商品を実際の買い手に届けるまでの一連の「ものの流れ」になります。通常、商品は製造元から倉庫や物流センターへ輸送され、荷役作業を経て保管されます。必要なら包装や流通加工が施され、最終的に受注先の小売店や消費者へ配送されます。つまり製造業など多くの企業は、物流なくしてビジネスを全うすることはできないのです。
かつては国内生産も順調で市場には十分な需要があり、生産すれば売れる時代でした。その後、製造業を中心に取り巻く環境は変化し、市場でのニーズがより細分化され、物流もまたそれに対応することが求められてきました。そんな環境の中で、ロジスティクスは細分化されたニーズにも柔軟に対応する考え方として、物流機能を統合するシステムとして普及してきました。かつてのようにものを作れば勝手に売れていた時代であれば、多くの商品を自社工場ですべて管理してもそれほど大きな問題ではありませんでした。しかし流行やニーズの変化が早くなれば、それだけ自社で長期的に大量在庫を抱えることは経営上もリスクが高まり大きな損失を出してしまう懸念があります。ロジスティクスとは、必要とされているものを、必要なときに、必要な場所に、必要な量だけ、供給する仕組みのことです。この考え方は多品種少量消費の市場に対しても有効に働きます。ロジスティクスと物流の違いは、まさにこの点にあります。つまりロジスティクスとは、限られたニーズを的確にとらえ適切な商品を提供するために一元管理された物流といえるでしょう。
またロジスティクスは、兵站に基づくシステムだと評されることがあります。システムを維持する上で不可欠な供給に重きをおいた考え方が特徴です。従来の物流に多かった生産と流通を分離させて考えるのではなく、両方を効率的に共存させ情報共有することで強みを発揮します。ロジスティクスは、物流全体を最適化することで、無駄のない効率的な物流システムを目指しています。

■ロジスティクスの具体的な目的とは?

ロジスティクスの目的を具体的に分類すると、次の4つになります。まず1つ目は「品切れ防止」です。ロジスティクスは原材料の調達にも深く関わることで、発注漏れや部品の欠品などの品切れを防止します。原材料の供給に遅れが生じたり欠品が発生すると、生産ラインが止まったり生産計画に狂いが出てきます。そんな事態を防ぐための「調達計画」を立てることもロジスティクスの重要な役割です。
2つ目として「物流の効率化」が挙げられます。ロジスティクスは物流業務全体を効率的に見直します。物流拠点の集約化や輸送効率の改善、大量輸送の促進など考えられる方策を統合的に実施し、商品の「生産計画」や「保管計画」「輸送計画」などを立案します。つまり、物流の無駄の削減を目指すのもロジスティクスの大事な目標となっています。
3つ目は「在庫の削減」です。在庫管理はロジスティクスが得意とする分野ですが、多くの企業で成果が上がらない現実があります。顧客の欲しい商品が目まぐるしく変わる時代において、在庫を多く持つことは不良在庫を増やす可能性があるからです。需要と供給を正確に予測し、「販売計画」や「在庫計画」に的確に反映させることが必要となります。
4つめの「コスト削減」は、上記の3つの目的と密接に関わっています。人員が行う業務には人件費がかかりますし、トラックなどの輸配送費、倉庫での保管費や荷役費など、物流にかかる費用は莫大です。たとえば輸配送費を削減する場合は、車輛の運行効率や稼働率、積載量などに配慮して「輸送計画」を立案しなければなりません。
これら4つの目的を実行するには、ロジスティクスオペレーションが不可欠です。また、物流センターに代わるロジスティクスセンターを主要拠点に設置する動きも活発化しています。これは国内だけを見据えたものではなく、よりグローバル化された物流システムとして、さらに収益を上げることが期待できるでしょう。

■サプライチェーンマネジメント(SCM)との関係は?

ここまでは、ロジスティクスの仕組みや目指すべき目標などを中心に触れてきました。つまりそれは、ある一企業の物流改革や生産性の見直しでした。しかし、物流に求められるニーズは企業内では解決できないほど大きくなっています。たとえば取引先となる関係企業に業務協力を求め、さらに広域な範囲の中で業務の効率化とコスト削減を実現する動きが広がっているのです。そこにはロジスティクスを拡大させた新たなシステムの導入が求められていました。
その新たなシステムがサプライチェーンマネジメント(SCM)です。これまで一社の内部で行われていたロジスティクスという垣根を越えて、原材料の納品企業や部品企業、卸売り企業や小売り企業まで幅広く情報で一元的に結び、総合的に管理してさらなる効率化を目指す仕組みです。
たとえば、ある製造企業が生産した商品を市場の需要や販売計画などを踏まえて効率的に管理したいなら、自社のみで管理コストをまかなうのではなく、関係企業を含めて販売計画や在庫計画を立て柔軟に管理方法を検討することも可能です。また、業務の一部をアウトソーシングすることも有効な方法でしょう。商品管理を専門業者に一部分担してもらうことで、管理コストを減らし収益性を向上させることも可能になります。アウトソーシングを活用することで、管理に要するリードタイム(所要時間)を短縮することもできます。自社だけではなく他の関係企業も加わることで、よりロジスティクスオペレーションの役割は高まるでしょう。また生産性を引き上げることで、無駄なコストが減り企業の収益も向上します。
サプライチェーンマネジメントを実践するには、関係企業でそれぞれの役割分担や指揮管理の方法を事前にすり合わせておくことが大切で、それにより作業効率がアップし企業収益にもプラスになります。このようにロジスティクスが企業内の物流システムに導入され、関係企業を巻き込んでさらにサプライチェーンマネジメントへと発展することは、物流業界全体に効率化の動きが浸透してきた証といえるでしょう。

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