重要性の高い物流管理!その目的や期待できる効果とは?

国民の生活や国家としての経済活動などを支える要因の中で、物流はとりわけ重要なポイントとなります。どんなに便利な商品や優れたサービスも、それを流通させる経路が確保できていなければ、価値の大半が無意味なものとなってしまうでしょう。そして商品やサービスなどがただ流通しているだけでは、物流として充分ではありません。高品質で利便性の高い物流を実現させるためには、適切な物流管理が必要になります。そこでここでは、物流管理がどういったものなのかを詳しく解説していきます。

■物流管理の定義

物流とは商品の流れのことで、顧客のニーズに対応した商品を、顧客の元へ送り届けることを意味します。ただし、送り届ける過程で商品の品質が劣化してしまったり、顧客の元へ商品が届くまでに長い時間がかかったりしていては、顧客のニーズに対応しているとはいえません。ですから顧客に満足してもらえる物流を実現するためには、物の流れをしっかりと管理し、物流全体のクオリティを高めなければならないでしょう。そこで有効なのが物流管理です。物流管理とは「顧客が求める商品を細かく管理し、種類や品質、分量や価格などを適正に保ちつつ、適切な時間に正しい場所へと送り届けるための活動全般」のことを指します。物流管理を上手く導入すれば、効率的で高品質な物流の実現につながります。

■物流管理の目的と課題とは?

物流管理における主な目的は、物流サービスの品質向上です。具体的には、「品切れを起こさない」「間違った商品を顧客に提供しない」「間違った分量を顧客に提供しない」「指定の納品時期や配送時間を守る」「運搬過程で商品の品質劣化や損壊を起こさない」などの点が挙げられます。
品切れを防ぐには在庫管理が大切であり、商品の注目度や売れ行きに応じた商品発注が必要になります。とはいえ、あまり発注数が大量だと売れ残りを抱えるリスクもあります。ゆえに商品ごとの販売データを正確に把握し、品切れを起こさない適切な在庫量を維持することが重要です。
商品の種類や分量を正しく提供するためには、高精度なチェックシステムの確立が必要になるでしょう。受注・検品・配送などといった複数のセクションで、顧客の注文データと配送する商品データを比較し、逐一確認していくのが賢明です。人の目とコンピューターによる管理の精度を高め、何重にもチェックすることで、ミスの発生を減らすことができます。
納品時期や配送時間を遵守することと、商品の劣化や損壊を防ぐことには、深い関連性があります。食品などの劣化が早い商品は迅速な配送が必要になりますが、作業スピードを無理に上げるとミスや事故が起こりやすくなり、損壊の可能性も高くなります。こういったバランスをよく考え、流通ルートや配送スケジュールなどを上手く管理しなくてはいけません。
また物流管理において、物流コストの削減も大きな目的のひとつです。物流コスト削減のためには、「適切な在庫量を維持する」「効率的な配送を徹底する」「作業効率の向上を図る」などがポイントとなるでしょう。
売れ残った在庫は値引きでの販売や廃棄処分などといった対応が取られますし、不良在庫が倉庫を圧迫することで、在庫管理が難しくなるといったケースも考えられます。そうした状況では不用なコストや手間がかかってしまうので、品切れを起こさず売れ残りも出さないような在庫管理が望ましいといえます。
配送過程を効率化することも、コスト削減につながります。配送車両の積載量向上や、配送スケジュールの最適化、走行時間や空車時間の短縮など、効率化のポイントはさまざまです。
作業効率の向上に関しては、作業マニュアルの改善や人材のモチベーションアップが鍵になります。すべてのセクションのあらゆる手順において、可能な限り最適な効率で作業を進められるよう、作業マニュアルを工夫することが大事です。それから工場作業員や配送ドライバー、オペレーターなどといった、物流に関わる人材のモチベーションを高めることができれば、作業効率の向上が図れるでしょう。

■物流におけるPDCAの活用方法とは?

PDCAとは、「計画・実施・評価・改善」という4つのステップが生み出すサイクルのことです。Plan(計画)のP、Do(実施)のD、Check(評価)のC、Action(改善)のAによって構成された用語となります。Actionの部分をActとする考え方もあります。物流管理においてこのサイクルは重要で、工場作業員から経営者に至るまで、幅広い分野でPDCAの考え方を役立てることが可能です。
例えば物流サービスの品質向上を目的として、「顧客からのクレーム件数を30パーセント減少させる」という計画を立てたとしましょう。続いて計画を成功させるために、「品切れを起こさない在庫管理」と「納品時期と配送時間の遵守」を徹底するよう各セクションに通達し、取り組みを実施させます。その結果、クレーム件数が20パーセント減少したとします。次に20パーセント減少という成果を評価し、どうしてクレーム件数が20パーセント減ったのか、残り10パーセントの減少が成功しなかった原因はなんなのかを分析します。そして評価段階で判明した成功要因と失敗要因を踏まえて計画を改善し、新たな計画に取り組みます。
このような「計画・実施・評価・改善」というサイクルをさまざまなセクションに取り入れることで、事業内容の効率化や高品質化が望めるでしょう。

■KPIを設定して物流管理をより効果的に

KPIとは、企業目標などを達成するに当たって、その業務プロセスが上手くいっているかどうかを判断するための指標のことです。「Key Performance Indicator」の略で、日本語に訳すと「重要業績評価指標」という意味になります。この指標を物流管理に導入したものを物流KPI(物流管理指標)などと呼びます。
コストや品質や生産性などといった物流の主要業務プロセスにKPIを設定しておけば、どの業務が成功し、どの業務に問題があるのかを判別することが可能です。こうした成果や課題の可視化が、物流KPI設定のメリットとなります。それからKPIによって判明した成功例や問題点を各セクションで共有することで、効率的なコミュニケーションを図ることができるでしょう。主観を取り除いた客観的なデータであれば、年齢や性別、職種や役職などの違いに影響されることのないコミュニケーションツールとして活用しやすいですから、合理的で効率的な判断や改善に役立ちます。また客観的データを用いれば、従業員や企業の評価を公平に行うことができるので、正当な評価システムの構築が期待できます。

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